文学と出会う散歩道

神保町散歩道

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文学と出会う散歩道 散歩する

散歩道 1 三茶書房 width=

まずは三省堂書店の隣、いわば「神保町古書店エリアの玄関口」という立地にある三茶書房からスタート。漱石、芥川、三島……、名だたる文豪たちの全集や研究書が所狭しと並ぶ書棚は重厚そのもの。ここに来ると改めて「神保町へ来たんだな」と思うというのも素直にうなずける。明治、大正、昭和の歴史文献がぎっしり積まれた2階は予約時のみ入店可。ここで古書の「匂い」を身体中に吸い込んで、戦前から営業を続ける老舗に向かう。

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散歩道 2 八木書店古書部

世界最古の印刷物として名高い奈良時代の『百万塔陀羅尼』が13基も置いてあるのは、昭和9年創業の名店ならでは。博物館が所蔵しているような絵巻物や写本が並ぶ目録は歴史の資料集さながらだ。お札の柄が変わったとき、肉筆原稿や書簡を集めて『漱石と一葉展』を催すなど、古書ファン以外にも積極的にアプローチしている。「まずは文学に興味を持ってもらいたい」という老舗の心意気を感じつつ、文学の新風を求めて靖国通りを西へ!

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散歩道 3 けやき書店

神保町駅から歩いてすぐ、ディスクユニオンが入っているビルの6階で営業しているのが、近代文学を専門とするけやき書店。芥川・直木賞作家や、明治から現代までの作家の初版本、限定本、直筆類、初出雑誌などを求め、全国から文学好きが集う店として名高い。坂口安吾や太宰治など「無頼派」と呼ばれる作家の古書が豊富で、マニアならずとも親しみやすい村上春樹や宮部みゆきといった、現在活躍中の作家のサイン本も扱っている。

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散歩道 4 巌南堂書店

サイン本や肉筆ものといえば思い出すのが、白山通りを越えてすぐ、古書センターの裏手にある巌南堂書店。ここは何といっても司馬遼太郎と松本清張のコレクションが有名だ。その充実ぶりは他の追随を許さず、直木賞に輝いた司馬遼太郎の出世作『梟の城』の署名入り初版本や、松本清張『室戸岬』の自筆原稿といった逸品を見ることができる。激動の昭和を生きた作家たちの「生きた字」を鑑賞した後は、少しだけ時を遡ってみよう。

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散歩道 5 山猫屋

巌南堂書店から神保町交差点をはさんで対角線上、お茶の水小学校の近くにあるこの店は、明治の文学、戯曲、小説、詩がメイン。戦後の書物はほぼ見当たらない。大量出版が可能になった昭和以降を重視せず、「一冊の重みがあった頃」の本を大切にするという、強いポリシーが感じられる品揃えだ。パリのカルチェ・ラタンに似た洒脱な雰囲気の古書店で、見ずとも懐かしい「あの時代」に思いを馳せながら、今度は水道橋方面へと歩き出す。

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散歩道 6 富士鷹屋

次はうってかわって、現代の作家の手による著書も数多く並ぶ、ミステリーや幻想小説の専門店へ。「推理小説の目録的存在になるのを目指しています」と語る、大のミステリー・ファンが経営する店だけに、本格推理はもちろん、ハードボイルド、ミステリー総論、探偵もの、SF系など、ミステリー全般が見事に揃っている。『歩く辞書』ならぬ『歩く目録』というご店主に尋ねれば、きっと手に汗を握る「自分だけの一冊」が見つかるに違いない。

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散歩道 7 日本書房

散歩のゴールは神保町エリア北部・西神田にある日本書房。『万葉集』や『源氏物語』などの古典や、俳句、文法書、辞書など、国文学や国語に関する古書を扱う、創業約60年の名店だ。和本など古典籍の書物も多く、装丁を眺めているだけで日本文化が感じられる。松尾芭蕉の研究書だけでじつに300冊。『文学と出会う小さな旅』を、長い旅に明け暮れた「偉大なる俳人」ゆかりの店で終わるというのも、また一興というものだろう。

お疲れ様でした