八木壮一さんの神保町

私の神保町

八木書店社長
八木壮一さん
ホームページ
http://www.books-yagi.co.
jp/antiq/

 私は昭和13年に神保町で生まれた。
 多分お茶の水の浜田産婦人科病院だと思う。神保町生まれはここの病院生まれが多い。

 父・敏夫は神戸の新刊書店に勤めていたが、昭和4年に当時一誠堂書店の番頭であった反町茂雄氏の面接を受けて上京した。不況の出版界の円本全集合戦の後に出た岩波文庫が発刊された頃である。朝早くから夜遅くまで高買いの敏ドンと呼ばれて働いた。その間に雑誌「玉屑」への寄稿などもしている。

 昭和9年に日本古書通信(http://www.kosho.co.jp/kotsu/)を創刊して六甲書房という屋号で古書売買、出版社の在庫買い取りなどの商売を始める。独立から50数年間の八木書店の動きは朝日新聞に連載された記事を見て頂ければ、いくらかの面白さを感じて頂けると思う。(http://www.books-yagi.co.jp/present/index.htm

 私は兵庫県明石の先の二見小学校、神奈川県逗子小学校を経て錦華小学校(現お茶の水小学校)卒。神保町の古書店にはここの卒業生が多い。
 私の店は書物に関した4つの部門を持って仕事をしている。一番面白いのは古書の取り扱いである。最近も奈良時代の荘園図を美術の市場で落札出来て所を得て納める事が出来た。出版も日本の古い書物に接する機会が得られて有意義であるが、採算を取って行くには気を張って行かねばならない。神保町に店が有ることで先生方、お客様、古書店人、出版人との交流が取れ、何処に出掛けるにも便利で、厳しい中にも楽しい日々を過ごしている。